目の前を日本の中古車両が疾走する!~ジャカルタ・デュリの線路市場

日本ではローカル線等を除き、「線路に降りない、線路の上は歩かない」というのが常識である。東京でそんな事をやったらすぐ駅員が飛んでくるし、そんな事は危険で誰もやろうとは思わないだろう。

しかしながら、海外(特に東南アジア)においては、国・場所によるが線路に降りたり歩いたりする事は日常的に行われている場所はまだ多い。しかも線路の脇に野菜や魚等を広げた市場が立ち、その横を頻繁に8両編成の電車が疾走した後、何事もなく売り買いが続けられる・・・という目もくらむような光景が繰り広げられる場所は珍しい。

今回紹介するのはジャカルタ中心部から西に数キロ離れたDuri(デュリ)という下町にある線路市場。

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ご覧の通り中央環状線(黄色)があり、Tangerang線(茶色)の線の始発駅となるのがDuri。Jakarta Kotaが東京駅、Manggaraiが新宿駅なら、Duriは池袋駅、品川駅と言うよりは、もっと下町の日暮里駅あたりのイメージだろうか。
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駅の改札。一応自動改札が設置されているものの、まだ使用されておらず切符は駅員の手で回収される。
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駅前は狭く自動車が入る事ができないので、バジャイ(三輪タクシー)が活躍。運転手は気さくで、「写真を撮ってくれ」とせがまれた。乗客が降りてくると早速客引きが始まる。(動画は
こちら
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駅前には細い路地、水路・・・東南アジアの下町の風景が広がる
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駅のホームをTanah Abang方面に歩くと、目的の線路市場が姿を現す
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魚の干物を一面に広げて売る。ご覧の通り線路と数センチしか離れていない!ここを列車(東京メトロで使われていた車両(*))が疾走するのだが、このオバサンを始めみんな平然としているのに注目。(動画は
こちらへ)
(*)動画に出てくるのは、厳密に言うと東京メトロ東西線に乗り入れていた京葉高速鉄道1000形車両。2007年に3編成が譲渡されたとの事。
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線路市場から駅を眺める。皆慣れたもので、線路の中を堂々と歩く人、座る人・・・自己責任で何でもあり! ご覧の通りこの付近は複線となっており、同じ方向から同時に電車が入ってくる事もある。動画は
こちらへ。
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線路と線路の間に並んだ野菜の市場。紫のオバサンは仁王立ちで迫力あるなあ・・・・
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鶏肉のいろいろな部位が山積みで売られている。秤も何十年と使用されている旧式で渋い!
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食料品は勿論、映画・音楽のDVD(コピー商品)、雑貨等いろいろな物が並べられており興味は尽きない。
R0012697.jpg乗客も列車のドアから興味津々で市場を眺めている
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白いのは米の袋と思われるが、ビニール袋に入った茶色の液体は何だろうか?
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10,000ルピー(約100円)で買える Facebook, Google, Twitter, YouTubeサンダル・・・(汗)
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市場の賑わいは続く・・・・右を走るのは東京都営地下鉄で使われていた車両。


【ひとこと】
・筆者はバンコクのメークロン線の線路市場も訪れた事があり印象に残っている。メークロン線は非電化・単線で一日4往復のみ、日本製のディーゼルカー3両編成という事もあり、のんびりとした線路市場を味わうならバンコクに軍配が上がる。メークロン線についての詳細はここをクリック。こちらはバンコクから片道2時間以上を要し、途中で渡し船に乗った後に列車乗り換え、しかも運転本数が少ない・・・と、訪問するにはハードルは高い。

・一方、ジャカルタの線路市場は、電化・複線、頻繁に8両編成の列車が疾走し、そのすぐ横を平然と何事もなかったように商売を続ける売り手・買い手・・・と、バンコクとは又違ったインパクトがある。ジャカルタ市内であり訪問は比較的容易。両方とも捨てがたいなあ。

※バンコク・メークロン線の写真(2008年撮影)
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2012.5月 ジャカルタで活躍する東京メトロ・JRの車両

今年のゴールデンウィークは海外で活躍する日本の車両を応援する為に、5泊6日でシンガポール・インドネシア(ジャカルタ)・マレーシア(ジョホールバル~トゥンパ)を廻ってきた。

まず訪れたのはジャカルタ首都圏の通勤電車網であるKA Commuter Jabodetabek。ジャカルタにおいては日本の円借款を利用して旅客輸送改善が行われ、車両もJR、東急、東京メトロ、都営地下鉄等の中古が多数活躍しており、渋滞が多いジャカルタに不可欠な足として市民に親しまれている。

R0012533.jpg R0012536.jpg(左)(右)中距離の列車が発着するGambir駅。ターミナル駅らしく列車案内も最新の液晶ディスプレーが導入されており、ジャカルタの駅の中ではモダンな印象を受ける。

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(左)これは東京メトロ東西線で使用されていた05系の車両 (左)ガンビル駅のプラットホームにて

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(左)まだ自動販売機は導入されておらず、窓口で切符を購入。Rp.6000(日本円で約60円)
(右)Gambir駅に入線してきたボゴール行き急行列車(Depok Ekspres)。これも東西線の05系が使われていた。

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(左)(右)Depokにある車両基地を訪問。但しセキュリティが厳しく内部に入るのは事前の許可証が必要で、今回は断念。車両基地の上にかかる橋まで行き遠くから車両を眺めて我慢した。日本製の車両がずらりと並ぶ景観は圧倒される。

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(左)車両基地入口の警備員と係員。写真撮影をねだられたので一枚。強面だが、みな陽気。
(右)次に訪れたManggarai駅は、ジャンクション駅でいろいろな列車が高頻度で発着を繰り返す。駅舎は意外と小さいが、オランダ植民地時代の雰囲気を残し味わいがある。

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(左)Manggarai駅内部。自動改札導入の準備はされているようだが、導入されるのはいつになるのだろうか?
(右)3つの路線が乗り入れるので、色別にホームが分かれている。青色はJakarta KotaとBekasiを結ぶBekasi(ブカシ線)が発着する。 動画はこちらへ。

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(左)JRで使用されていた203系電車。1982年に投入した地下鉄相互乗入れに対応した車両で、千代田線で使用。僕も昔千代田線を使って通勤していたので、この車両にも乗っていた可能性が大。
(右)日本語の表示のままジャカルタの街を走り抜ける。ジャカルタでの行先は表示されていないので、アナウンスに注意する事が必要。

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(左)Jakarta Kotaは1870年建設、1926年に改装された歴史のある駅舎。設計者はオランダ人であり、西洋風と現地のものの折衷である。近距離の他、長距離の発着も多く、日本でいうと東京駅のような位置づけか。
(右)プラットホームは櫛形で、長距離列車が停まっていた。これを見ると上野駅のような風情もあり。

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(左)優先席も日本のまま (右)内装はほぼ日本のまま。渋滞が劣悪なジャカルタにおいて、時間通り移動できる電車網は市民の貴重な足となっている。

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(左)(右)内装はほぼ日本で使用されていたまま。(右)扇風機の「営団地下鉄」のマークに注目!

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(左)(右)日本の政府開発援助(ODA)により提供されている事を示すステッカーが車内に貼られている。インドネシアには親日的な人々が多いのは、このような援助の積み重ねの賜物でもあるのだろう。

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(左)こちらは東京都営地下鉄で使用されていた車両 (右)電車の両端は女性専用車となっている

【ひとこと】
・事前に情報は仕入れていたものの、これだけの日本の車両が活躍している姿を見ると、胸が熱くなってくる。
・インドネシア人は親日的で、日本人がカメラを構えていると話しかけられる事が多かった。やはりこのような形が見える日本からの支援の影響は大きいのであろう。

・今回はジャカルタに僅か1泊2日のみの滞在だったので急ぎ足であったが、駅のホームに立っていると次々と日本の列車がやってくるので、短時間の滞在でも満足できる。もしジャカルタに訪れる際は、是非駅に立ち寄ってみてほしい。
プロフィール

Nam Tok

Author:Nam Tok
・鉄道と山を求め、自由気ままに歩き回りたい・・・最近はアジアの乗り鉄、撮り鉄を楽しんでいます。また山登りも、自分の体力・技術にあわせ学生時代から続けています。
・このブログに立ち寄って頂きありがとうございます。鉄道と山の魅力が少しでも伝われば幸いです。
・ちなみにNam Tokとはタイ語で「滝」の意味です。そしてタイ国鉄にはNam Tok線があるだけでなく、Nam Tok駅も存在します。更に、タイ料理で肉、ハーブ、炒った米粉を和えたサラダもNam Tok(大好物!)であり、名前に拝借した次第です。

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