祝・東京駅舎復原!~同時期に完成した中国・台湾の駅舎
東京駅丸の内駅舎が復原され、完成した1914年当時の姿が全容を現し、連日多くの人々で賑わっている。さて、東京駅舎の建築が始まった1908年と言えば、日本が日露戦争に勝利した直後。当時植民地であった中国東北部、台湾にも東京駅等を模した駅舎が建設され、今でも現役の駅舎が残っている。
1.中国・瀋陽駅と遼寧賓館(旧ヤマトホテル)

南満州鉄道(満鉄)・瀋陽駅(旧・奉天駅)の赤レンガの駅舎が建設されたのは1910年で、東京駅完成より4年早い。設計は東京駅の設計者である辰野金吾の弟子である太田毅で、外観や雰囲気が似ている。(2011.5月撮影)
満鉄の駅舎の中でも最大規模を誇った旧・奉天駅。赤い看板が邪魔をしているのが惜しい

現在この瀋陽駅の他、瀋陽北にも大規模なターミナル駅があり、多くの高速列車は北駅から発着する。

満鉄が経営していた奉天ヤマトホテルは、旧奉天駅に併設されたステーションホテルの新館として1929年に開業。奉天大広場(現中山広場)前にあり、内外装はアール・デコ調のデザイン、外壁は白色のタイル貼り仕上げ。当時は最新かつ最高格式のホテルであるが、現在も遼寧賓館として営業している。
2.中国・大連駅と大連賓館(旧ヤマトホテル)
瀋陽駅が東京駅に似ているのに対し、大連駅は上野駅をモデルにしている事で知られている。
(左)大連駅完成は1937年。設計は満鉄社員の太田宗一郎。出発は2階から入口へ、到着は地下から出口へと、乗降客の流れを立体的に分離し、当時としては斬新な設計。(右)大連駅のモデルとなった上野駅駅舎は1932年完成。

そして、大連ヤマトホテル(現・大連賓館)の設計者は瀋陽駅舎と同じ太田毅と言われている。 鉄骨煉瓦造地上4階・地下1階建で、竣工は1914年だから東京駅舎と同じ頃に完成した事になる。

重点保存建築に指定され修復されており状態は良い。現在も三つ星ホテルとしてまだまだ現役。

折角の機会なので大連賓館に宿泊した。調度品も風格を感じさせる。一泊日本円で5千円以下で宿泊できるので、鉄道ファンならずとも大連を訪れた際は、是非宿泊しタイムスリップ体験を!
3.台湾・台中駅
所変わってこちらは台湾・台中の駅舎。1908年に着工し1917年に竣工されたもので、設計者は松崎萬長。バロック式の赤レンガの外観といい高い吹き抜けといい何となく東京駅に似ている。(2009.10月撮影)

台中駅は東京駅より一足早く修復が行われ、大切に保存されている。中央に鐘塔を抱き、当時のターミナル建築のスタイルを踏襲している。駅構内には日本統治時代の鉄道倉庫を利用した芸術展示スペースもある。

高鐵(台湾新幹線)の台中駅とは離れており、在来線のみが停車。
【ひとこと】
・これらの駅舎・ホテルの他に、大連、瀋陽等の中国東北部には、植民地時代の建築物が修復され保存されているものも多いので、当時を偲んでみるのも良い。
・特に大連・瀋陽の旧ヤマトホテルは、一泊5千円程度で宿泊可能なので、鉄道ファンならずとも泊まってみる価値があるので、機会があれば是非!
(参考)大連賓館のHPはこちらへ。
1.中国・瀋陽駅と遼寧賓館(旧ヤマトホテル)

南満州鉄道(満鉄)・瀋陽駅(旧・奉天駅)の赤レンガの駅舎が建設されたのは1910年で、東京駅完成より4年早い。設計は東京駅の設計者である辰野金吾の弟子である太田毅で、外観や雰囲気が似ている。(2011.5月撮影)

満鉄の駅舎の中でも最大規模を誇った旧・奉天駅。赤い看板が邪魔をしているのが惜しい

現在この瀋陽駅の他、瀋陽北にも大規模なターミナル駅があり、多くの高速列車は北駅から発着する。

満鉄が経営していた奉天ヤマトホテルは、旧奉天駅に併設されたステーションホテルの新館として1929年に開業。奉天大広場(現中山広場)前にあり、内外装はアール・デコ調のデザイン、外壁は白色のタイル貼り仕上げ。当時は最新かつ最高格式のホテルであるが、現在も遼寧賓館として営業している。


2.中国・大連駅と大連賓館(旧ヤマトホテル)
瀋陽駅が東京駅に似ているのに対し、大連駅は上野駅をモデルにしている事で知られている。


(左)大連駅完成は1937年。設計は満鉄社員の太田宗一郎。出発は2階から入口へ、到着は地下から出口へと、乗降客の流れを立体的に分離し、当時としては斬新な設計。(右)大連駅のモデルとなった上野駅駅舎は1932年完成。

そして、大連ヤマトホテル(現・大連賓館)の設計者は瀋陽駅舎と同じ太田毅と言われている。 鉄骨煉瓦造地上4階・地下1階建で、竣工は1914年だから東京駅舎と同じ頃に完成した事になる。


重点保存建築に指定され修復されており状態は良い。現在も三つ星ホテルとしてまだまだ現役。


折角の機会なので大連賓館に宿泊した。調度品も風格を感じさせる。一泊日本円で5千円以下で宿泊できるので、鉄道ファンならずとも大連を訪れた際は、是非宿泊しタイムスリップ体験を!
3.台湾・台中駅
所変わってこちらは台湾・台中の駅舎。1908年に着工し1917年に竣工されたもので、設計者は松崎萬長。バロック式の赤レンガの外観といい高い吹き抜けといい何となく東京駅に似ている。(2009.10月撮影)

台中駅は東京駅より一足早く修復が行われ、大切に保存されている。中央に鐘塔を抱き、当時のターミナル建築のスタイルを踏襲している。駅構内には日本統治時代の鉄道倉庫を利用した芸術展示スペースもある。

高鐵(台湾新幹線)の台中駅とは離れており、在来線のみが停車。
【ひとこと】
・これらの駅舎・ホテルの他に、大連、瀋陽等の中国東北部には、植民地時代の建築物が修復され保存されているものも多いので、当時を偲んでみるのも良い。
・特に大連・瀋陽の旧ヤマトホテルは、一泊5千円程度で宿泊可能なので、鉄道ファンならずとも泊まってみる価値があるので、機会があれば是非!
(参考)大連賓館のHPはこちらへ。
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