2013.7月 イギリス鉄道紀行(その2: Virgin Train乗車体験記+Liverpoolの近郊鉄道)
英国の鉄道は1948年に国有化され、British Railways (BR、イギリス国鉄)として運行されていたが、ジョン・メージャーの時代に1994-1997年にかけ民営化された。現在は旅客鉄道だけで20数社が存在し、複数社が同一路線上に乗り入れている。
そのうちの一つが、リチャード・ブランソン率いるヴァージン・グループのVirgin Trains。ヴァージンと言えば中古レコードの通信販売会社に始まり、映画館、航空、金融等の様々な分野に進出したが、鉄道への進出は1997年。航空業界にヴァージン・アトランティック航空が旋風を巻き起こしたように、英国の鉄道へも「低価格・高品質」のサービスを導入し、その影響は非常に大きいと言われている。
現在はロンドン(ユーストン駅)を起点とするウェスト・コースト本線のマンチェスター、リバプール、バーミンガム、グラスゴー等への路線を運行している。(尚、厳密に言うとVirgin Trainsの鉄道営業権は2012年12月に失効。2026年3月迄の鉄道営業権はファーストグループ傘下のファースト・ウェスト・コーストに移行しているが、現状もVirgin Trainsの名前で運行されている。)
今回はVirgin Trainsを体験すべく、ロンドンから約300km離れたリバプール迄、約2時間の旅。
1. ロンドン・ユーストン駅を出発

(左)Virgin Trainsが発着するロンドン・ユーストン駅正面 (右)ホームには各方面行きの列車が並ぶ。
一等車専用ラウンジ。乗降客が多い割にはそれ程広くなく、優雅な感じではないが、飲食・スナックが無料で楽しめるのは有難い。
VIrgin TrainsにはPendolino型と Voyager型がある。リバプール・マンチェスター方面に使用されているのはPendolino型(Alstom社製)
2. チケットと料金
今回、指定券は日本からネットで購入。前売券は繁閑に応じ料金が設定されているので、平日昼間の便は安く購入可能。今回、London- Liverpoolの二等車普通席の最低料金は£19(約3,500円)だったが、一等車でも£38(約7,000円)・・・折角なので、軽食・飲物のサービスがある一等車を利用する事に決定。
London・Liverpool間の距離約300kmを2時間08分で結ぶ。東海道新幹線で言うと東京・豊橋間が約290km、ひかり号で1時間半程度。新幹線(指定券)の料金は約8,700円、グリーン車で12,700円。比較すると随分割安に移動できた事になる。

(上)これがe-ticketの写。自宅のプリンターで印刷し、改札・社内検札で見せるだけなので非常に簡単。
繁閑による前売りの二等車料金の差の見本は下記の通り。(Virgin Train HPから引用) ご覧の通り最安で£12.5(約2,800円)、最高が£76.3(約12,000円)とかなり差がある。
3.外観と内部

1等車が4両+2等車が7両=11両の編成。斬新なデザインと色使い。(色使いはN’EXとやや似ているか?)

(左)一等車のデッキとドア。号車は番号ではなく、アルファベット順・・・Hは9号車。編成表・座席表はこちら。
(右)フランスのアルストム社製
座席の配置は2+1。イギリスの車両はボックス席の間に広いテーブルがあるのが特徴。ご覧の通りティーカップも陶器、そしてコップもガラスで、決して使い捨ての紙コップ・プラスチックでないのが英国風。

(左)各座席にはコンセントが設置。そしてWi-Fiが使えるのは有難い。 (右)11時台の出発だったので昼食がサーブされた。ツナサラダ、サンドイッチ(ハム&チーズ)から選択。パッケージのデザインも凝っていて、さすがヴァージン・グループの鉄道会社。

ちなみに朝食のメニューはこの通り。かなり選択肢が広く本格的な朝食が供されるようだ。
(左)紅茶の他、ソフトドリンク・アルコールも無料。ジンジャーエールを注文。 (右)一等車はWi-Fi 無料
4. Liverpool到着
列車は定刻通りLiverpool Lime Street駅に到着。

Lime Streetの駅舎は典型的なヨーロッパのターミナル駅仕様。

(左)Virgin Trains案内所前の切符販売機。事前予約した切符の受取も可能 (右)切符売場と出発案内

(左)プラットホームの案内 (右)市内の案内標。方角と所要時間が一目瞭然で、非常に便利。

(左)(右)物価の高いイギリスで、博物館は入場無料というのが有難い。
5. Liverpool Mersey Rail(近郊鉄道)
Liverpoolの近郊鉄道はMersey Railと呼ばれている。観光にはあまり使用する機会がない為、早朝に乗車体験に出かけてみた。

(左)Liverpool Central駅 (右)ピクトグラムは黄色がベース。HPはこちらへ。

車両は黄色がベース。自転車持参で乗っている人が多いのに驚き。
エスカレーターは右側に乗り、歩く場合は左側との事。やはり関西式が世界標準?
【ひとこと】
・リバプール、マンチェスターはロンドンから列車で2時間と手頃な距離。日本とはまた違った鉄道旅行が体験できるので、イギリスを訪れる機会があれば、是非鉄道を利用してほしい。鉄道ファンならずとも楽しめる事請け合い。
・尚、今回は平日昼間の列車を限定した前売(払戻・変更不可)だった為、片道7,000円程度で移動できたが、当日購入の場合は倍以上の料金が必要。朝晩の列車だと2万円を超すので要注意。
・リバプールはロンドンとはまた違った雰囲気で、主なスポットは歩いて回る事ができるのが魅力。勿論ビートルズのファンにとっては堪えられないだろう。今回は一泊だけで十分見る事ができなかったのが残念・・・また訪れてみたい。
【おまけ】
Virgin TrainのTV CM
英国のCMがYoutubeで見られる。(⇒下記画像をクリック)
この他にも色々あるので、興味がある方は検索を。
その1 Fly Virgin Train (2013) その2 ABC 'Look of Love' (2009)
最新の洒落たCM。さすが英国。 ちょっと気恥ずかしいが、懐かしい曲に乗せて。
そのうちの一つが、リチャード・ブランソン率いるヴァージン・グループのVirgin Trains。ヴァージンと言えば中古レコードの通信販売会社に始まり、映画館、航空、金融等の様々な分野に進出したが、鉄道への進出は1997年。航空業界にヴァージン・アトランティック航空が旋風を巻き起こしたように、英国の鉄道へも「低価格・高品質」のサービスを導入し、その影響は非常に大きいと言われている。
現在はロンドン(ユーストン駅)を起点とするウェスト・コースト本線のマンチェスター、リバプール、バーミンガム、グラスゴー等への路線を運行している。(尚、厳密に言うとVirgin Trainsの鉄道営業権は2012年12月に失効。2026年3月迄の鉄道営業権はファーストグループ傘下のファースト・ウェスト・コーストに移行しているが、現状もVirgin Trainsの名前で運行されている。)
今回はVirgin Trainsを体験すべく、ロンドンから約300km離れたリバプール迄、約2時間の旅。
1. ロンドン・ユーストン駅を出発


(左)Virgin Trainsが発着するロンドン・ユーストン駅正面 (右)ホームには各方面行きの列車が並ぶ。

一等車専用ラウンジ。乗降客が多い割にはそれ程広くなく、優雅な感じではないが、飲食・スナックが無料で楽しめるのは有難い。


VIrgin TrainsにはPendolino型と Voyager型がある。リバプール・マンチェスター方面に使用されているのはPendolino型(Alstom社製)
2. チケットと料金
今回、指定券は日本からネットで購入。前売券は繁閑に応じ料金が設定されているので、平日昼間の便は安く購入可能。今回、London- Liverpoolの二等車普通席の最低料金は£19(約3,500円)だったが、一等車でも£38(約7,000円)・・・折角なので、軽食・飲物のサービスがある一等車を利用する事に決定。
London・Liverpool間の距離約300kmを2時間08分で結ぶ。東海道新幹線で言うと東京・豊橋間が約290km、ひかり号で1時間半程度。新幹線(指定券)の料金は約8,700円、グリーン車で12,700円。比較すると随分割安に移動できた事になる。

(上)これがe-ticketの写。自宅のプリンターで印刷し、改札・社内検札で見せるだけなので非常に簡単。
繁閑による前売りの二等車料金の差の見本は下記の通り。(Virgin Train HPから引用) ご覧の通り最安で£12.5(約2,800円)、最高が£76.3(約12,000円)とかなり差がある。

3.外観と内部

1等車が4両+2等車が7両=11両の編成。斬新なデザインと色使い。(色使いはN’EXとやや似ているか?)


(左)一等車のデッキとドア。号車は番号ではなく、アルファベット順・・・Hは9号車。編成表・座席表はこちら。
(右)フランスのアルストム社製

座席の配置は2+1。イギリスの車両はボックス席の間に広いテーブルがあるのが特徴。ご覧の通りティーカップも陶器、そしてコップもガラスで、決して使い捨ての紙コップ・プラスチックでないのが英国風。


(左)各座席にはコンセントが設置。そしてWi-Fiが使えるのは有難い。 (右)11時台の出発だったので昼食がサーブされた。ツナサラダ、サンドイッチ(ハム&チーズ)から選択。パッケージのデザインも凝っていて、さすがヴァージン・グループの鉄道会社。

ちなみに朝食のメニューはこの通り。かなり選択肢が広く本格的な朝食が供されるようだ。


(左)紅茶の他、ソフトドリンク・アルコールも無料。ジンジャーエールを注文。 (右)一等車はWi-Fi 無料
4. Liverpool到着
列車は定刻通りLiverpool Lime Street駅に到着。

Lime Streetの駅舎は典型的なヨーロッパのターミナル駅仕様。


(左)Virgin Trains案内所前の切符販売機。事前予約した切符の受取も可能 (右)切符売場と出発案内


(左)プラットホームの案内 (右)市内の案内標。方角と所要時間が一目瞭然で、非常に便利。


(左)(右)物価の高いイギリスで、博物館は入場無料というのが有難い。
5. Liverpool Mersey Rail(近郊鉄道)
Liverpoolの近郊鉄道はMersey Railと呼ばれている。観光にはあまり使用する機会がない為、早朝に乗車体験に出かけてみた。


(左)Liverpool Central駅 (右)ピクトグラムは黄色がベース。HPはこちらへ。

車両は黄色がベース。自転車持参で乗っている人が多いのに驚き。

エスカレーターは右側に乗り、歩く場合は左側との事。やはり関西式が世界標準?
【ひとこと】
・リバプール、マンチェスターはロンドンから列車で2時間と手頃な距離。日本とはまた違った鉄道旅行が体験できるので、イギリスを訪れる機会があれば、是非鉄道を利用してほしい。鉄道ファンならずとも楽しめる事請け合い。
・尚、今回は平日昼間の列車を限定した前売(払戻・変更不可)だった為、片道7,000円程度で移動できたが、当日購入の場合は倍以上の料金が必要。朝晩の列車だと2万円を超すので要注意。
・リバプールはロンドンとはまた違った雰囲気で、主なスポットは歩いて回る事ができるのが魅力。勿論ビートルズのファンにとっては堪えられないだろう。今回は一泊だけで十分見る事ができなかったのが残念・・・また訪れてみたい。
【おまけ】
Virgin TrainのTV CM
英国のCMがYoutubeで見られる。(⇒下記画像をクリック)
この他にも色々あるので、興味がある方は検索を。
その1 Fly Virgin Train (2013) その2 ABC 'Look of Love' (2009)


最新の洒落たCM。さすが英国。 ちょっと気恥ずかしいが、懐かしい曲に乗せて。
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