バンコクの忘れられた始発駅「トンブリ駅」とナムトク線

1.トンブリ駅とは
バンコクには3つの始発駅がある事は以前述べたが、最後に紹介するのが「トンブリ」駅、別名「バンコク・ノーイ」駅。

場所はチャオプラヤ川の西側、王宮の対岸付近にある。1927年に道路・鉄道併用のラーマ6世橋が架けられるまでは、マレーシア方面に向かう南線の起点となる立派な駅だった。しかし橋が完成してからは、主要列車の始発駅は「ファランポーン駅」に移った為、トンブリ駅はターミナル駅としての役割を終え、一日数本のローカル線が発着するだけの淋しい駅となってしまった。
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(左)トンブリの駅舎は立派だが、付近は閑散としていてTuk Tukの運転手も手持ち無沙汰 
(右)駅構内には日本製の中古車両が
 
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(左)列車の掃除もくわえ煙草で。タイらしいですなあ (右)日本製客車の内部。木製で味わい深い。

とは言え、「寂れ方」がなかなか味わい深く、筆者がバンコクに住んでいた頃、何回か訪れた。

さて、この駅へは車で直接乗り付けるより、是非対岸から渡し船に乗って訪れたい。当時確か2バーツ=6円程度だった。波止場で降りるとすぐ目の前に昔日を偲ばせる立派な駅舎(注)があるのだが、バンコクの始発駅とは思えない程人は疎ら。

駅前広場でセパタクローを楽しんでいる若者、波止場で釣りをするオッサン、そして居眠りをしている犬・・・のどかな時間が流れている。 

(注)数年前に付近の再開発で、駅の位置が内陸西寄りに移った。チャオプラヤー川からの船荷の荷揚げの重要性が薄くなった為、やむを得ないが残念。但し、この駅舎は博物館の形で残されるらしい。

2.ナムトク線
さて、現在トンブリ駅から発着しているのはナムトク線。ちなみにナムトクとはタイ語で「滝」の意味である。

ナムトク線は、第二次世界大戦中に日本軍が英国人捕虜・近隣諸国の人々を使い、短期間で建設した泰緬鉄道の一部である。タイ・ビルマ国境付近の厳しい地形による難工事、コレラ等の疫病で完成には困難を極めるも、僅か1年半で約415kmが完成した。

戦後連合軍に接収され、タイに売却。タイ政府は人が殆ど住んでいない部分は廃線にしようとしたが、ナムトク付近迄は幾らか人が住んでいた為、修復され復活したのがこのナムトク線という訳だ。現在、カンチャナブリは映画「戦場にかける橋」で有名なクワイ河鉄橋があり、一大観光地となっている。

下の時刻表を見ると分かる通り、朝7:45にバンコクを出発する列車に乗れば、210kmの距離を約5時間かけてナムトクに着き、折り返しの列車で17:35にバンコクに到着。一日がかりで乗り鉄を満喫できるという訳だ。
Bangkok ► Nam Tok, River Kwai & Kanchanaburi

km

Train number:

485 257 259
0 Bangkok Thonburi (Noi) station - 07:45 13:35
64 km - 09:03 14:55
82 km Nong Pladuk junction 04:25 09:25 15:11
133 km Kanchanaburi 05:57 10:50 16:19
138 km River Kwae Bridge 06:05 10:57 16:26
- Thamkrasae Bridge 07:38 11:57 17:51
- Wang Po 07:49 12:09 18:01
210 km Nam Tok
08:20 12:35 18:30

Nam Tok, River Kwai & Kanchanaburi ► Bangkok
Train number: 260 258 486
Nam Tok
05:20 12:55 15:15
Wang Po 05:46 13:21 15:58
Thamkrasae Bridge 05:57 13:35 16:10
River Kwae Bridge 07:12 14:37 17:31
Kanchanaburi 07:19 14:44 17:41
Nong Pladuk junction 08:23 15:52 18:50
Nakhon Pathom (for trains to South)
08:50 16:28 -
Bangkok Thonburi (Noi) station 10:10 17:35 -


しかしこんな事をするのは余程の物好きしかおらず、真っ当な観光客はバンコクからの日帰りのバスツアーでカンチャナブリに行き、ハイライトの部分のみ鉄道に乗る。従って途中迄はガラガラだが、観光客がどっと乗り込んでくるカンチャナブリ以北は、列車が増結されても満員となる。

クワイ川沿いの断崖絶壁をゆっくりと(時速10km程)走る列車の乗車体験は、ここでしか味わえない。バンコクで1日余裕ができたら、是非ナムトク線へ! もし時間がなければ、せめてトンブリ駅の雰囲気だけでもどうぞ。

【ナムトク線の写真】
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(左)2001年当時のカンチャナブリ駅の時刻表。拡大してみると、バンコク・カンチャナブリ間(133km)の当時の料金が25バーツ=70円という事がわかる。また、時刻表の一番上にヤモリがへばり付いているのにも注目!
(右)木製の橋を渡る列車はスリル満点

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(左)ナムトク駅での機関車付け替え作業。駅員ものんびりムード
(右)座席は木製。片道約5時間の旅は辛いながらも貴重な経験

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(左)終点ナムトク駅では機関車付け替えの為20分程度停車する (右)カンチャナブリ・クワイ河鉄橋を渡るディーゼル車。尚、ダブルクリックで拡大すると、待避所で観光客が列車の通過を待っているのが見えます。日本では考えられない光景!
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Author:Nam Tok
・鉄道と山を求め、自由気ままに歩き回りたい・・・最近はアジアの乗り鉄、撮り鉄を楽しんでいます。また山登りも、自分の体力・技術にあわせ学生時代から続けています。
・このブログに立ち寄って頂きありがとうございます。鉄道と山の魅力が少しでも伝われば幸いです。
・ちなみにNam Tokとはタイ語で「滝」の意味です。そしてタイ国鉄にはNam Tok線があるだけでなく、Nam Tok駅も存在します。更に、タイ料理で肉、ハーブ、炒った米粉を和えたサラダもNam Tok(大好物!)であり、名前に拝借した次第です。

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